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政策・法規制

2026年施行予定「AI基本法」で何が変わる?中小企業が知っておきたい「守りの新ルール」

AI政策AI基本法中小企業リスク管理セーフハーバー・ルール
AI編集部

ラクタノ AI編集部

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政府はこのほど、AI人工知能)の安全性を確保しながら活用を促進するための新しい法律、「AI基本法(仮称)」の最終骨子をまとめました。

「法律ができると、AIを使うのが難しくなるのでは?」と不安に感じる経営者の方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。今回の方針は、中小企業にとってはむしろ「安心してAIを使える環境」を整えるための前向きな内容となっています。

本記事では、2026年の施行が見込まれるこの新法について、中小企業経営者が押さえておくべきポイントと、今からできる準備についてわかりやすく解説します。

概要:AI基本法とは?

一言で言えば、「AIのリスクを管理しつつ、企業が安心してビジネスで使えるようにするための交通整理」です。

政府は現在、AI開発者や利用者(企業)が守るべきルールを定めた新法の準備を進めています。この法律の大きな特徴は、巨大なAIを作る「開発者」と、それを使ってビジネスをする「利用者(中小企業など)」を明確に区別している点です。

特に中小企業向けには、一定のルールを守っていれば法的な責任が軽くなるセーフハーバー・ルール(安全地帯)」という仕組みの導入が検討されています。これにより、企業は予期せぬトラブルへの不安を減らし、積極的にAIを導入できるようになります。

背景:なぜ今、新しい法律が必要なのか

生成AIの急速な普及に伴い、業務効率化が進む一方で、著作権侵害や誤情報の拡散といったリスクも懸念されています。

日本政府はこれまで、2024年4月に策定した「AI事業者ガイドライン」を通じて、企業に自主的なリスク管理を求めてきました。しかし、あくまで「ガイドライン(指針)」であり、法的な強制力や、守った場合の法的な保護(免責など)が明確ではありませんでした。

そこで政府は、イノベーションを阻害しないよう配慮しつつ、最低限の安全性を法律で担保し、企業が予見可能性(見通し)を持って事業を行えるようにするため、今回の法整備へと舵を切りました。

ポイント解説:中小企業に優しい3つの仕組み

今回の骨子案には、中小企業経営者にとって重要な3つのポイントがあります。

1. 「開発者」と「利用者」の区別

もっとも重要な点は、規制の対象にメリハリがあることです。厳しい義務や罰則が検討されているのは、世界的な影響力を持つごく一部の「大規模AI開発者」です。

多くの中小企業は「AI利用者」に該当するため、過度な規制の対象にはなりません。むしろ「活用を支援する」というスタンスが強調されています。

2. 「セーフハーバー・ルール」の導入検討

これが今回の一番の目玉です。「セーフハーバー」とは直訳すると「安全な港」のこと。ビジネスにおいては「決められたルールを守っていれば、万が一トラブルが起きても法的な責任を問われない(あるいは軽減される)」という仕組みを指します。

具体的には、政府が定めるガイドラインに沿ってAIを利用していれば、もしAIが誤作動を起こして損害賠償などの問題になっても、「やるべき注意義務は果たしていた」とみなされ、企業の法的リスクが大幅に下がる可能性があります。

3. リスク評価の簡素化

「ガイドラインを守る」といっても、大企業のような複雑な監査体制を作る必要はありません。中小企業向けには、チェックリストを使った簡易的なリスク評価で十分とする方向で調整が進んでいます。既存のセキュリティチェックや個人情報保護の確認フローに、AI特有の項目を少し足すだけで対応できるイメージです。

企業への影響:今、何をすべきか?

法律の施行はまだ先ですが、今から準備をしておくことで、将来のリスクを減らし、補助金などのメリットも受けやすくなります。

1. 「Human-in-the-Loop」を徹底する

少し専門的な言葉ですが、「人間が最終確認をする」という意味です。AIが出した答えをそのまま鵜呑みにせず、必ず担当者が目を通してから顧客に提供する。このプロセスを業務フローに組み込み、明文化しておきましょう。これだけで、法的リスクの大部分を回避できると言われています。

2. ガイドラインに沿った「記録」を残す

AI事業者ガイドライン」にあるチェックリストを活用し、「ウチの会社ではこういう点に気をつけてAIを使っています」という記録を残してください。この記録こそが、将来的にセーフハーバー(免責)を受けるための「お守り」になります。

3. IT導入補助金などの活用

政府はAI活用を国策として推し進めています。そのため、ガイドラインに準拠した安全なAI導入を行う企業は、IT導入補助金」などで優遇される(加点対象になる)ケースが増えています。ルールを守ることは、コスト削減にもつながるのです。

今後の見通し

  • 2025年(通常国会): 法案が提出され、具体的な中身が審議されます。
  • 2026年後半: 法律の施行が予定されています。

「法律ができる」と聞くと身構えてしまいますが、今回のAI基本法は、正しくAIを使おうとする中小企業を守るための防波堤となるものです。

施行直前に慌てないためにも、今のうちから「人間による確認」と「利用記録の保存」という基本的な習慣をつけておきましょう。そうすれば、2026年にはスムーズに新法に対応し、安心してAIの恩恵を享受できるはずです。

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