解説
AIを導入・運用する際に、個人情報の漏洩、著作権侵害、誤情報の拡散などが起きる可能性を事前に分析し、対策を検討すること。政府は中小企業向けにチェックリストを提供しており、安全なAI活用のための必須工程とされています。
さらに詳しく解説
リスク評価とは
AIにおけるリスク評価(Risk Assessment)は、AIシステムの導入・運用に伴うリスクを特定・分析・評価するプロセスです。EU AI規制法やAIガバナンスの中核をなす活動です。
リスク評価のプロセス
リスク評価の流れ:
1. リスク特定
└── 潜在的なリスクの洗い出し
↓
2. リスク分析
└── 発生確率と影響度の評価
↓
3. リスク評価
└── 許容レベルとの比較
↓
4. リスク対応
└── 軽減策の検討・実施
↓
5. モニタリング
└── 継続的な監視・見直しAIリスクの分類
| カテゴリ | リスク例 |
|---|---|
| 技術的リスク | 精度低下、システム障害 |
| 倫理的リスク | バイアス、プライバシー侵害 |
| 法的リスク | 規制違反、責任問題 |
| 運用リスク | 誤用、悪用 |
| 社会的リスク | 雇用影響、格差拡大 |
EU AI規制法のリスク分類
リスクレベル:
├── 許容不可リスク(禁止)
│ ├── ソーシャルスコアリング
│ ├── サブリミナル操作
│ └── 顔認識(一部)
├── 高リスク
│ ├── 医療機器
│ ├── 採用・評価
│ └── 法執行
├── 限定リスク
│ └── [チャットボット](/glossary/chatbot)等
└── 最小リスク
└── ゲーム等リスク評価フレームワーク
評価項目例
リスク評価項目:
├── 公平性・バイアス
│ ├── データバイアス
│ └── アルゴリズムバイアス
├── 透明性・説明可能性
│ ├── 判断理由の説明
│ └── 監査可能性
├── プライバシー
│ ├── データ保護
│ └── 個人情報取扱い
├── セキュリティ
│ ├── 攻撃耐性
│ └── データ漏洩対策
└── 堅牢性
├── 異常入力への耐性
└── 継続的な性能維持リスク評価ツール
| ツール | 開発元 | 用途 |
|---|---|---|
| AI Fairness 360 | IBM | 公平性評価 |
| Responsible AI Toolkit | 総合評価 | |
| Fairlearn | Microsoft | バイアス評価 |
| LIME/SHAP | OSS | 説明可能性 |
実施のポイント
- 早期からの実施: 開発初期段階から
- 多様なステークホルダー: 技術・法務・ビジネス連携
- 継続的な見直し: 運用中も定期評価
- 文書化: 評価結果の記録・保管
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