解説

さらに詳しく解説
AGI(汎用人工知能)とは
AGI(Artificial General Intelligence)は、人間と同等、あるいはそれ以上の知能を持ち、特定のタスクに限定されず、あらゆる知的作業をこなせる人工知能を指します。現在の主流である「[特化型AI(Specialized AI)](/glossary/specialized-ai)」が、囲碁、翻訳、画像診断といった特定の領域で力を発揮するのに対し、AGIは未知の状況に直面しても、自ら学習し、推論し、解決策を導き出す能力を備えています。
AGIの主要な特徴
AGIが従来のAIと決定的に異なる点は、主に以下の3点に集約されます。
- 汎用性: 訓練されていない新しいタスクに対しても、過去の経験や知識を応用して柔軟に対応できる能力です。
- 自律性: 人間からの詳細なステップバイステップの指示がなくても、最終的な目的を達成するためのプロセスを自ら設計できます。
- 自己学習能力: 外部からのデータ付与を待つだけでなく、自ら環境から学び、能力を継続的に向上させることができます。
AGI実現へのアプローチと現状
かつてAGIは遠い未来の概念とされてきましたが、大規模言語モデル(LLM)の飛躍的な進化により、その実現可能性が現実味を帯びてきました。現在の基盤モデル(Foundation Model)は、テキストだけでなく画像や音声も扱う「マルチモーダル」化が進んでおり、これがAGIへと至る重要なステップであると見なされています。
OpenAIやGoogle、NVIDIAなどのテックジャイアントは、膨大な計算リソースと資金を投じ、AGIの開発をミッションの核に据えています。一部の研究者は、今後10年以内にAGIのプロトタイプが登場すると予測しています。
ビジネスと社会への影響
AGIが実現すれば、ホワイトカラーの業務から高度な研究開発、経営戦略の策定に至るまで、あらゆる産業構造が根本から覆される可能性があります。
- メリット: 労働力不足の解消、新薬開発や新素材発見の劇的な加速、複雑な社会課題(気候変動やエネルギー問題)に対する最適解の提示などが期待されます。
- デメリットとリスク: 既存の職業の急激な代替による社会不安、意思決定プロセスのブラックボックス化、そして人間による制御が困難になるリスクが懸念されています。
実装に向けた最重要課題:AIセーフティ
AGIの開発において、現在最も議論されているのが「[AIの安全性(AI Safety)](/glossary/ai-safety)」です。AIの目的が人間の意図や倫理観と一致しなくなる「アライメント問題」をどう解決するかが、人類にとっての大きな課題となっています。AGIは単なる技術革新ではなく、人間とテクノロジーの関係性を再定義する存在として、慎重かつ加速的な議論が進められています。
