
ラクタノ AI編集部
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「受注管理システムを導入したのに、結局毎日CSVをダウンロードしてExcelで加工している」
「複数モールの在庫を合わせるため、スタッフが手作業で転記を続けている」
ECサイトや実店舗を運営する中で、このようなお悩みを抱えていませんか?
システムを導入してバックオフィス業務を効率化しようとしたはずが、かえって「システム間のつなぎ込み」という新たな手作業を生んでしまうケースが後を絶ちません。
本記事では、「システムを入れたのに楽にならない」という根本的な課題を解消し、既存のツールを活かしながら月30〜60時間の業務削減を実現する具体的なステップと成功事例を解説します。
1. なぜ「システムを入れたのに楽にならない」のか?

矢野経済研究所の調査によれば、小売業向けの基幹システム国内市場は273億円規模に達しており、古いシステムからの脱却は着実に進んでいます。しかし、それでも手作業が残ってしまうのには、主に3つの構造的な原因があります。
「まずは受注管理(OMS)」、次に「倉庫管理(WMS)」と、その場しのぎでシステムを追加した結果、システム同士が直接連携できず、毎日の「CSVエクスポート&インポート」が日課になってしまいます。
システムAとシステムBで、データの項目名や並び順が異なるため、エラーを防ぐために人間がExcel等でデータを加工・転記しなければなりません。
「特定の条件でノベルティを付ける」「お得意様には特殊な出荷指示を出す」といった複雑な運用ルールをシステム化できず、結局手作業に頼ってしまいます。
この状況を打破するための大前提は、「自社の独自ルールを思い切って撤廃し、システムに業務プロセスを合わせる(標準化する)」ことです。
2. 既存の仕組みを活かす「ケチDX」の成功事例

システムを丸ごと数千万円かけて入れ替える必要はありません。使い慣れたツール同士をAPI(システム同士を繋ぐデータ連携の窓口)やRPA(パソコン上の操作を代行するソフトウェアロボット)で繋ぐ手法が、中小企業における現実的な解決策として定着しています。
PR TIMESで発表されたプレスリリースなどでも見られるように、EC担当者の約51%がデータの集計・転記に「週5時間以上(年間約240時間)」を費やしています。これを劇的に改善した事例をご紹介します。
- 事例1:FUN-CREATE株式会社(月61時間の削減)
自社ECを9サイト運営する同社では、受注データの基幹システムへの手動転記が属人化していました。そこで中小企業向けRPA「アシロボ」を導入し、20の業務を自動化。受注転記業務だけでも月30時間の削減と入力ミスゼロを達成し、全体で月61時間(年間730時間)の業務削減に成功しました。
- 事例2:株式会社パルグループホールディングス
複数ECモールからの受注・在庫データの手動ダウンロード作業に対し、RPA「Autoジョブ名人」を導入。毎朝8時にロボットが自動で一括取得・集計する仕様に変更し、朝のバタバタとした作業時間を大幅に短縮しました。
- 事例3:データ連携ツール「TēPs」とスプレッドシートの連携
売上レポート作成のために毎日複数のCSVをダウンロードし、Excelで集計していた作業を自動化。一元管理システム「ネクストエンジン」のデータを、連携ツール経由でGoogleスプレッドシートへ自動書き出し(最短15分更新)することで、毎日のコピペ作業を完全にゼロにしました。
3. 中小企業でも導入しやすい低コスト自動化ツール

既存システムを活かしつつ手作業を削減するためには、プログラミング知識がなくてもシステム同士を繋げる「iPaaS(クラウド型のデータ連携ツール)」や「AI自動入力ツール」が非常に有効です。
- TēPs(テープス)
EC特化型のノーコード連携ツールです。楽天市場やShopifyなどの主要ECモールと、ネクストエンジン、Googleスプレッドシートなどをノンプログラミングで繋ぎます。「スプレッドシートからの在庫自動同期」などが可能で、初期費用無料で月額19,800円(税別)から利用できます。
- Yoom(ユーム)
AIと連携した自動入力を実現するツールです。AIワーカー機能により、AIがメールやPDFの受注データを文字認識(OCR)で読み取り、HubSpotやkintoneなど700以上のアプリへ自律的に自動入力します。月額9,600円からと非常に安価に始められます。
- Anyflow(エニーフロー)
国内のクラウドサービス(SaaS)連携に強いツールです。会計ソフト大手の弥生との協業実績もあり、ECサイト等とのAPI連携設定にかかる手間を従来の1/10に削減できます。
【実践プロンプト例:AIを活用した受注データの自動整形】
AI連携ツール(Yoomなど)やChatGPT、Claude等のAIサービスを組み合わせて手作業を減らす場合、以下のようなプロンプト(指示文)をシステムに組み込むことで、表記揺れの修正やデータ抽出を自動化できます。
あなたは優秀なバックオフィス担当者です。
以下のメール本文から受注情報を抽出し、指定のCSVフォーマットに整形して出力してください。
【ルール】
・顧客名の「様」「御中」は削除する
・商品名の表記揺れ(例:Tシャツとt-shirt)は、すべて「Tシャツ」に統一する
・金額のカンマ(,)や「円」は削除し、半角数字のみにする
【抽出項目】
受注日、顧客名、商品名、数量、合計金額
【メール本文】
(ここに自動取得したメールのテキストが入る)こうした処理をQiitaなどで共有されている技術ナレッジを参考にしながらツールに組み込むことで、人間の目視チェックや手直しを大幅に減らすことができます。
他業界における低コストな事務作業の自動化事例として、月額1万円以下から始められる具体的なアプローチを過去記事「【10名以下の工務店向け】月額1万円以下で現場の事務作業を半減!AI施工管理とリスク対策の実践ガイド」で詳しく紹介しています。ツール選定の参考にしてください。
4. 3〜6ヶ月で回収可能!「簡易自動化」のコストとROI

「システム連携やAI導入は高額で元が取れないのでは?」と心配されるかもしれません。確かに、全社的な大規模AI投資は回収に2〜4年を要します。しかし、中小企業のAI導入の38%を占める「データ入力・転記」などの簡易自動化であれば、3〜6ヶ月という短期間で投資回収(ROI)が可能です。
導入コストの相場
- SaaS型AIチャットボット:初期0〜数十万円、月額数万〜20万円
- EC一元管理システム:初期数十万円、月額10万〜50万円
業務削減効果のシミュレーション
帳票の自動分類・転記によるミス削減では、手作業の40%を削減でき、年間12万件の処理で約4,800万円(1件1,000円換算)のコスト削減試算があります。
Impress Watchなどの報道でも見られるように、ローソンのセミオート発注システムが店舗の発注時間を44分短縮し廃棄高を1割削減した事例や、大手スーパーが需要予測AIで食品廃棄率を30%(年間60億円相当)削減した事例など、現場の業務に直結する自動化は極めて高い費用対効果を示します。初期費用を抑えられる月額数万〜数十万円のクラウドツール活用が、投資リスクを抑える標準的な選択肢です。
低コストで導入し、短期間で投資回収(ROI)を最大化させる具体的なステップについては、過去記事「【中小運送会社向け】現場と事務の両立を実現!月額1万円台から始めるAI・DX業務自動化ガイド」でも詳しく解説しています。ぜひ合わせてご一読ください。
5. 月間受注1,000件の壁を越える4つの導入ステップ

複数モールへの出店でデータの二重管理が限界に達する前に、既存の業務フローを崩さずに自動化を進めるための4ステップをご紹介します。
ステップ1:アナログ業務の棚卸し(可視化)
受注から在庫更新、出荷、売上集計に至る全プロセスを書き出します。特に「月間受注1,000件」を超えると、手作業による在庫同期や二重管理は必ず破綻します。どこで転記ミスやコピペ作業が発生しているかを特定しましょう。
ステップ2:既存システムのAPI確認
ShopifyなどのECカート、実店舗のPOS、基幹システムが、他のシステムとデータをやり取りするための「Web API」を提供しているか確認します。
ステップ3:連携ツールの選定
自社のシステム構成に合わせ、EC特化の「TēPs」や多機能な「Yoom」などのiPaaS、または「ネクストエンジン」等のEC一元管理ツールを選定します。
ステップ4:テスト運用(スモールスタート)
業務を止めずに移行するため、一斉導入は避けましょう。「在庫同期のみ」「特定のモールのみ」など、一部のデータからテスト運用(PoC)を行います。近年では単なるデータ連携にとどまらず、人・プロセス・システムを統合する次世代の自動化概念も台頭しており、note等でも多くの実践ノウハウが共有されています。まずは小さく始めて段階的に拡張していくのが成功の秘訣です。
まとめ:明日から実践できる3つのアクション
「システムを入れたのに楽にならない」状態から抜け出すために、明日から以下の3つに取り組んでみてください。
バックオフィス業務の自動化は、単なるコスト削減ではなく、浮いた時間を「顧客対応」や「販促企画」といった売上を生むコア業務に振り向けるための前向きな投資です。まずは身近なコピペ作業の撲滅から始めてみませんか?
