解説
複数の複雑なシステムやプロセスを、AIが統合的に管理・調整し、円滑に実行させる仕組みのことです。物流においては、在庫状況や車両位置などの情報をAIが統合判断し、現場へ具体的な作業指示を出す「指揮官」のような役割を指します。
さらに詳しく解説
オーケストレーションとは
AIにおけるオーケストレーション(Orchestration)は、複数のAIモデル、エージェント、ツールを統合・調整して、複雑なタスクを実行する仕組みです。指揮者(Orchestrator)のように全体を制御します。
基本概念
オーケストレーションシステム:
├── オーケストレーター(調整役)
│ ├── タスク分解
│ ├── 実行順序決定
│ ├── リソース割当
│ └── 結果統合
├── 実行コンポーネント
│ ├── [LLM](/glossary/llm)[モデル](/glossary/model)
│ ├── 専門エージェント
│ ├── 外部[API](/glossary/api)
│ └── ツール/関数
└── 状態管理
├── [コンテキスト](/glossary/context)保持
├── エラー処理
└── 進捗追跡オーケストレーションパターン
| パターン | 説明 | 用途 |
|---|---|---|
| シーケンシャル | 順次実行 | 依存関係あるタスク |
| パラレル | 並列実行 | 独立したタスク |
| 条件分岐 | 条件で経路変更 | 動的ワークフロー |
| ループ | 繰り返し実行 | 反復タスク |
主要フレームワーク
| フレームワーク | 特徴 |
|---|---|
| LangChain | 包括的なLLMフレームワーク |
| LangGraph | グラフベースのワークフロー |
| CrewAI | 役割ベースのエージェント協調 |
| AutoGen | 会話ベースの協調 |
| Semantic Kernel | Microsoft製、C#/.NET対応 |
LangChainでの実装例
python
from langchain.agents import AgentExecutor
# オーケストレーションの構成
orchestrator = AgentExecutor(
[agent](/glossary/agent)=main_agent,
tools=[
search_tool, # 検索
calculator_tool, # 計算
database_tool, # DB操作
],
memory=conversation_memory,
verbose=True
)
# タスク実行
result = orchestrator.run("売上データを分析してレポートを作成")ワークフロー設計
典型的なワークフロー:
1. 入力解析
└── ユーザー要求の理解
↓
2. 計画立案
└── サブタスクへの分解
↓
3. 実行
├── 必要なツール/エージェント呼び出し
├── 結果の検証
└── エラー時の再試行
↓
4. 統合
└── 結果の集約・整形
↓
5. 出力
└── ユーザーへの回答活用事例
カスタマーサポート
- 問い合わせ分類 → 専門エージェント振り分け
- FAQ検索 → 回答生成 → 満足度確認
[データ分析](/glossary/data-analysis)
- データ取得 → 前処理 → 分析 → 可視化 → レポート生成
コンテンツ制作
- 調査 → 構成作成 → 執筆 → 編集 → 画像生成
設計のポイント
| 観点 | 推奨事項 |
|---|---|
| エラー処理 | フォールバック設計 |
| 状態管理 | 明確な状態遷移 |
| 監視 | ログ・メトリクス収集 |
| スケーラビリティ | 非同期処理の活用 |
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