目次(12 章)


ラクにゃんとミナ


ミナ
ラクにゃん、ニュースで「PHPの脆弱性」って言葉を何回も見ました。役所や銀行のサイトまで止まっていて……。うちの会社のシステムも、危ないんでしょうか?

ラクにゃん
気になるよね。でも、あわてなくて大丈夫だよ。まずは「何が起きたのか」を知って、それから「自分の会社は関係あるのか」を順番に確かめていけばいいんだ。

ミナ
わたし、システムを作る人じゃないので、むずかしい話だと分からないかもしれません。

ラクにゃん
大丈夫。今日は、システムを作ってもらう側の人が「どこを確かめて、作った会社に何を聞けばいいか」が分かるように話すね。
この記事の要点
- 1脆弱性は、ソフトウェアの「ひび」。どんな言語や部品にも、いつか必ず見つかる。大事なのは、見つかってから何日でふさぐか。
- 2システムの守りは「入口(だれが入れるか)」「データ(どこまで見られるか)」「鍵(大事な合鍵をどう扱うか)」の3つに分けると整理できる。どれも、1か所だけで守らないのがコツ。
- 3自分の会社では、PHPで動くホームページと、ルーター・VPN・複合機・NASなどの機器を確かめる。分からなければ、作った会社やメーカーに「直した版が入っているか」を聞けばいい。
脆弱性ってなに?:2026年10月の PHP の例

ラクにゃん
脆弱性(ぜいじゃくせい)は、ソフトウェアの中にある「作ったときには気づかなかった弱い所」のことだよ。そこを突かれると、本当はできないはずのことが、外からできてしまうんだ。

ミナ
できないはずのこと、って?

ラクにゃん
2026年10月の例で見てみよう。PHPは、Webサイトを作るときによく使われているプログラムの言語だよ。そのPHPそのものに、深刻な穴が2つ見つかったんだ。まとめて「PHP2Shell」と呼ばれているよ。

ラクにゃん
この穴は、ログインしていない人が、ネット越しに、サーバーの上で勝手にプログラムを動かせるかもしれない、というものだったんだ。サーバーは、ホームページの中身が置いてある、ネットにつながったコンピューターのことだよ。

ミナ
サーバーで勝手にプログラムを動かされると、どうなるんですか?

ラクにゃん
サーバーの持ち主と同じように、中のデータを見たり、書きかえたりできてしまうおそれがあるんだよ。閉店後のお店に、知らない人が鍵なしで入れてしまうようなものだね。

ミナ
こわいですね。ニュースでは、番号みたいなものも見ました。

ラクにゃん
見つかった脆弱性には、世界共通の「CVE」という番号がつくんだ。今回はCVE-2026-109618とCVE-2026-109619。番号があると、国や会社をこえて、どの穴の話かを取り違えずに話せるんだよ。深刻さは「CVSS」という10点満点の点数で表して、今回はどちらも9.2点の「緊急」。ネット越しに、ログインなしで狙えるから、点数が高くなったんだね。
2026年10月の例(PHP2Shell)。建物の名前は例です

ミナ
WordPressって、聞いたことはあります。

ラクにゃん
ホームページを作って更新するための、よく使われる道具だね。WordPressはPHPの上で動いているんだ。ふだんよく聞く脆弱性は、WordPressのような「上に建つ道具」の穴が多いんだけど、今回は、その土台のPHPそのものの穴だった。だから、上の道具の作りがきちんとしていても、PHPの版(バージョン)が古ければ対象になりうるんだよ。

ラクにゃん
それで、念のためにサイトを止める会社や役所が、たくさん出たんだね。セキュリティの事件をまとめているブログ「piyolog」の集計では、告知で確かめられただけで246の組織が、公開の前後にサービスを止めていたよ。

ミナ
そんなに……。被害はあったんですか?

ラクにゃん
世界中で、攻撃の「試み」はたくさん観測されたよ。海外のセキュリティ会社からは、別の穴と組み合わせて、会社のネットの出入り口に置く見張りの機器(ファイアウォール)などが乗っ取られた例も報告されたんだ。日本を含む4つの国の機器だったよ。

ラクにゃん
ただ、日本の公的な窓口のIPAは、11月2日の時点で「国内での被害の例は把握していない」としているよ。だから、こわがりすぎなくていい。でも、関係ありそうな所は、早めに確かめておこうね。
穴の一生:見つかってから、ふさがるまで

ミナ
穴が見つかったら、どうやってふさぐんですか?

ラクにゃん
穴にも「一生」があるんだ。見つかる → 作った人たちが直した版を出す → 使っている人が入れ替える、の順番だよ。今回の日付を並べてみよう。
2026年10月の PHP の例。日付は出典の発表どおり

ミナ
え、直した版が出る前から、攻撃の試みがあったんですか?

ラクにゃん
そうなんだ。Amazonは、公表の4日前の10月17日に、わざと置いた「おとりのサーバー」で、この穴を使おうとする動きを見つけていたんだよ。穴は、公表されたときに生まれるわけじゃない。だれかが先に見つけていることもあるんだね。

ミナ
じゃあ、公表されたら、急がないといけないんですね。

ラクにゃん
そう。公表されると、穴のある場所が世界中に知られるから、攻撃も一気に増えるんだ。今回も、Cloudflareという会社の代表によると、公表から2時間で数十万件、半日ほどで数百万件の攻撃の試みがあったそうだよ。だから、直した版が出てから入れ替えるまでの日数が、そのまま「危ない日数」になるんだね。

ミナ
何日以内、みたいな目安はあるんですか?

ラクにゃん
国が作った、取引先どうしでセキュリティの対策を見える形にする制度では、深刻な穴の直した版は、出てから14日以内に入れることになっているよ。それに、攻撃がもう見つかっているときは、もっと急ぐのがふつうなんだ。

ミナ
入れ替えるまでの間、何か守るものはないんですか?

ラクにゃん
サイトの手前に置く「WAF(ワフ)」という見張り番が、怪しい通信をはじく決まりを、急いで足してくれることがあるよ。今回も、いくつものWAFの会社が、すぐに決まりを足したんだ。でも、WAFの会社自身も、これは入れ替えまでのつなぎで、いちばん確かな対策は直した版に入れ替えることだとしているよ。

ラクにゃん
それから、入れ替えたくても入れ替えられないこともあるんだ。今回のPHPでは、8.1以前の古い版には、もう直した版が出なかったんだよ。サポートが終わっていたからだね。何年も触っていないサイトほど、危ないままになりやすいんだ。

ミナ
わたしたちは、何を聞けばいいんでしょう?

ラクにゃん
作ってもらった会社に、「穴の知らせはだれが見ていて、何日以内に直してくれますか?」と聞いてみるといいよ。
使っていなければ、安全?

ミナ
じゃあ、PHPを使っていないシステムなら、安心ですね!

ラクにゃん
今回の穴の対象にならない、という意味では、その通りだよ。でもね、「PHPじゃないから安全」とは言い切れないんだ。

ラクにゃん
Node.js、Next.js、React。どれも、PHPと同じように、Webのシステムを作るときによく使われる土台や部品なんだ。名前は覚えなくて大丈夫だよ。PHPの直した版が出た同じ10月21日に、Node.jsでも、穴をふさぐ定例の更新が出ていたんだ。Reactでは、2025年12月に、深刻さが10点満点の10.0の穴が見つかっているよ。

ミナ
どの土台でも、何かしら起きているんですね。

ラクにゃん
そうなんだ。だから、どの言語や部品を使っていても、穴はいつか見つかるもの、と考えるのがいいんだよ。大事なのは、穴が出ないことじゃなくて、見つかったときに何日でふさげるか、なんだね。

ミナ
でも、ニュースを見たときに「うちは関係ある?」って、すぐ分かるものなんですか?

ラクにゃん
そこで役に立つのが、どのシステムに、どの部品の、どの版が入っているかの一覧なんだ。「部品表(SBOM)」というよ。部品表があれば、ニュースを見たその日に、関係あるかどうかが分かるんだね。作ってもらった会社には、「うちのシステムに何が入っているか、一覧はありますか?」と聞いてみてね。
守りの地図:入口・データ・鍵

ミナ
穴が出るものなら、穴があっても、すぐには入られないようにしておくことも大事ですよね。
ラクにゃん
その通り! そこで、システムの守りを、会社のビルにたとえてみよう。守りは、大きく3つに分けて考えると分かりやすいんだ。
たとえ → 正式な言葉

ラクにゃん
1つ目は「入口」。ビルの受付で、だれが入れるか。2つ目は「データ」。奥の金庫室で、入った人がどこまで見られるか。3つ目は「鍵」。鍵の保管室で、システムの中にある大事な合鍵をどう扱うか、だよ。

ミナ
受付、金庫室、鍵の保管室ですね。

ラクにゃん
うん。どれにも共通するコツは、「1か所だけで守らない」こと。順番に見ていこう。
入口:だれが入れる?

ラクにゃん
まずは入口。ビルの受付にあたるのがログインだよ。ここで大事な言葉が2つあるんだ。「認証」と「認可」だね。

ミナ
似ていますね……。

ラクにゃん
認証は「あなたはだれ?」を確かめること。社員証を見せて、本人だと分かってもらうのが認証だよ。認可は「あなたは何をしてよい?」を決めること。社員でも、お金の画面は役員だけ、というように、役割ごとに見られる情報を分けるのが認可なんだ。

ミナ
受付を通ったあとも、フロアごとにカードキーがある感じですね。

ラクにゃん
まさにそれ。それから、社内で使うシステムなら、だれでも自由に登録できる作りにはしないで、管理する人が登録した人だけが入れるようにするのが基本だよ。辞めた人のアカウントは、その日のうちに止める。ここも大事だね。

ミナ
パスワードだけで、本人だと分かるものなんですか?

ラクにゃん
パスワードだけだと、盗まれたらおしまいだね。だから、大事なシステムでは、パスワードに加えて、スマホに届く番号や指紋など、もう1つの確かめ方を組み合わせるんだ。これを「多要素認証」というよ。最近は、偽のサイトでは使えないしくみの「パスキー」のような、だましに強い確かめ方も広がっているんだ。

ミナ
受付でしっかり確かめていれば、それで十分じゃないんですか?

ラクにゃん
それがね、受付だけだと危ないんだ。2025年3月に、Next.jsで、こんな穴が見つかったよ。ログインしているかを入口で確かめるしくみを、ある細工をすると飛ばせてしまったんだ。

ミナ
受付を素通りできちゃう……。

ラクにゃん
そう。だから、守りのしっかりしたシステムは、受付だけで終わりにしないんだよ。データを出すサーバーの側、つまり金庫の前でも、もう一度「この人に見せてよいか」を確かめるんだ。入口の見張りがすり抜けられても、金庫の前で止まる。これを「多層防御」というよ。
2025年3月の Next.js の穴(入口の確認を飛ばせた)を例に

ミナ
2回確かめておけば、どちらかに穴があっても、もう片方で止まるんですね。

ラクにゃん
うん。Webのシステムで多い危険の一覧として世界で使われている「OWASP Top 10」でも、2025年版の1位は「アクセス制御の不備」。見てはいけない人に見えたり、してはいけない操作ができたりすることなんだ。それだけ起きやすいんだね。

ラクにゃん
作ってもらった会社には、「ログインはパスワードだけですか?」「辞めた人のアカウントは、だれが止めますか?」と聞いてみてね。
データ:どこまで見られる?

ラクにゃん
次はデータ。データは、ビルの奥の金庫室にしまってあるよ。

ラクにゃん
データの守りで、いちばん大事な考え方は「まず全部の扉を閉めて、必要な所だけを開ける」ことなんだ。最初に全部開けておいて、危ない所を閉めていくやり方だと、閉め忘れが出るからね。

ミナ
閉め忘れって、実際に起きるんですか?

ラクにゃん
起きるんだよ。2026年には、あるAIチャットのアプリで、データの置き場所の設定が「だれでも読める」のままになっていて、2500万人分、約3億件のメッセージが見える状態だったと報告されたんだ。プログラムの穴じゃなくて、設定の開けっぱなしだったんだね。

ミナ
3億件……! 鍵をかけ忘れた金庫みたいですね。
開けてから閉める → 閉め忘れが出る / 閉めてから開ける → 必要な所だけ

ラクにゃん
いくつもの会社が同じシステムを使うときは、会社ごとに引き出しを分けて、別の会社の鍵では開かないようにするよ。1つの会社の中でも、部署ごとに分けることがあるね。

ミナ
でも、決まりを作っても、本当に守られているか心配です。

ラクにゃん
いい所に気づいたね。決まりが守られているかは、機械に確かめさせることができるんだ。「A社の人がB社の引き出しを開けようとする」「ログインしていない人が読もうとする」といった、開いてはいけない場面をたくさん用意して、本当に開かないかを自動でテストするんだよ。

ラクにゃん
作ってもらった会社には、「ほかの会社や、ほかの人のデータが見えないことを、どう確かめていますか?」と聞いてみてね。
鍵:大事な合鍵をどう扱う?

ラクにゃん
3つ目は鍵。システムの中には、人が使うパスワードのほかにも、たくさんの「合鍵」があるんだ。たとえば、AIを呼び出すための鍵や、決済のサービスとつなぐための鍵だよ。

ミナ
その鍵が盗まれたら、どうなるんですか?

ラクにゃん
AIの鍵なら、他人が勝手にAIを使って、その料金がこちらに来てしまうかもしれない。決済の鍵なら、もっと大変だね。だから、合鍵は、だれの目にも触れない奥の保管室にしまっておくんだよ。

ラクにゃん
たとえば、スマホやパソコンの画面には、合鍵そのものを渡さないようにするよ。画面に渡したものは、その気になれば、だれでものぞけてしまうからね。代わりに、短い時間だけ使えて、時間が来ると消える入館証を、その都度出すんだ。
一時トークン:合鍵(API キー)の代わりに、使い捨ての入館証を渡す

ミナ
入館証なら、もし落としても、すぐ使えなくなるんですね。

ラクにゃん
そういうこと。それから、合鍵は、プログラムの設計図と同じ所には書きこまないで、別の金庫で管理するよ。設計図は、作る人みんなが見るものだからね。2025年から2026年にかけて、人気の部品の作り手が、本物そっくりの偽のメールにだまされてアカウントを奪われ、部品に悪いしかけを入れられる事件が何度も起きたんだ。狙われるのは、作り手の手元にある鍵なんだよ。

ミナ
外から届くものにも、気をつけることはありますか?

ラクにゃん
あるよ。たとえば、決済のサービスは「お金が払われました」という知らせを、システムに送ってくるんだ。その知らせは、差出人の印が本物かを確かめてから受け取るよ。偽物の「払われました」を信じたら大変だからね。同じ人が短い時間に何百回もログインを試せないように、回数の制限もかけておくんだ。

ラクにゃん
作ってもらった会社には、「AIや決済の鍵は、どこに置いていますか?」と聞いてみてね。
AIを使うときの守り

ミナ
最近は、AIを使うシステムも増えていますよね。AIならではの心配もありますか?

ラクにゃん
あるよ。IPAが毎年まとめている「情報セキュリティ10大脅威」の、組織向けの2026年版では、「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初めて選ばれて、いきなり3位に入ったんだ。

ミナ
AIに会社のデータを渡したら、AIの勉強に使われてしまいませんか?

ラクにゃん
そこは、使うサービスの約束を確かめるのが大事だよ。たとえば、GoogleのGemini APIの有料のサービスや、AnthropicのClaudeの商用のAPIは、送ったデータをAIの学習には使わない、という約束になっているんだ。逆に、Gemini APIの無料の枠では、学習や改善に使われて、人が読むこともある、と書かれているよ。

ミナ
無料と有料で、ちがうんですね。

ラクにゃん
そう。それに、学習に使わない約束のサービスでも、不正な使い方を見つけるために、一定の期間は保存されることがあるんだ。だから、AIに送るものは、その仕事に必要なものだけにしぼるのが基本だよ。

ラクにゃん
もう1つ、AIが読むメールやWebページの中に、こっそり「この指示に従え」という文を紛れこませる、という手口もあるんだ。だから、AIに持たせる権限は必要な分だけにして、お金を動かしたり、データを消したりする前には、人が確かめるようにしておくと安心だね。
守りは、作って終わりじゃない

ミナ
入口・データ・鍵、しっかり作っておけば、もう大丈夫ですか?

ラクにゃん
作ったあとも、守りは続くんだよ。大きく3つあるんだ。

ラクにゃん
1つ目は見回り。システムが止まったり、おかしな動きをしたりしたら、自動で気づけるようにしておく。2つ目は更新。使っている部品の新しい版や、穴の知らせを、毎日見張っておく。3つ目はバックアップ。それも、取るだけじゃなくて、本当に元に戻せるかを、ときどき練習しておくことが大事なんだ。

ミナ
戻す練習まで?

ラクにゃん
いざというときに戻せなかったら、バックアップの意味がないからね。IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」も、2026年3月の第4.0版で、基本の5か条に「バックアップを取ろう!」を足して、6か条にしたんだよ。

ミナ
もしも、事故が起きてしまったら?

ラクにゃん
まず、被害が広がらないように止める。次に、記録(ログ)を残したまま、何が起きたのかを調べる。そして、関わる人にすぐ知らせる。この順番だよ。作ってもらった会社とは、「何かあったら、だれが、いつまでに、だれに連絡するか」を、先に決めておくと安心だね。
自分の会社で確かめること

ミナ
最後に、今回のPHPの件で、わたしたちが確かめられることはありますか?

ラクにゃん
2つあるよ。1つ目は、ホームページやネットショップ。WordPressなど、PHPで動いているものがないか。作ってくれた会社や、借りているサーバーの会社に、PHPの版を聞いてみてね。

ミナ
版を聞いて、何と答えてもらえたら安全なんですか?

ラクにゃん
PHP 8.5.12、8.4.27、8.3.36、8.2.35、またはそれより新しい版なら、今回の穴はふさがっているよ。むずかしければ、「2026年10月21日に出た、PHPの直した版は入っていますか?」と聞けば伝わるはずだよ。8.1以前と言われたら、直した版がないから、新しい版に上げる相談をしようね。

ミナ
借りているサーバーの場合は、サーバーの会社が直してくれるんですか?

ラクにゃん
今回は、レンタルサーバーの多くの会社が、すぐに直して、お知らせを出していたよ。ただ、古い版を自分で選んで使っている場合などは、自分で切り替える必要があることもあるんだ。借りているサーバーの会社のお知らせを、一度見てみてね。

ミナ
もう入られていたかどうかは、どうやって分かるんですか?

ラクにゃん
サーバーの記録を見ると、攻撃のあとが残っていることがあるよ。作った会社やサーバーの会社に、調べてもらってね。ただ、日本の窓口のJPCERT/CCも、あとが見つからなくても、攻撃を受けていないとは言い切れない、としているんだ。だから、確かめるのと一緒に、直した版に入れ替えておくことが大事なんだよ。

ミナ
作った会社と、もう連絡が取れないときは……?

ラクにゃん
まずは、借りているサーバーの会社に相談してみてね。何年も触っていないサイトなら、この機会に、ほかの会社に見てもらったり、作り直しを考えたりするのもいいと思うよ。

ラクにゃん
2つ目は、意外な所なんだ。ルーターやVPN、複合機、NASといった機器。実は、機器の管理画面に、PHPが使われていることがあるんだよ。IPAも、VPN機器やセキュリティ製品の管理画面などにPHPが使われているとして、メーカーのお知らせを確かめて更新するよう呼びかけているんだ。
機器の中に PHP が入っていることもある

ミナ
機器の中にも……。知らなかったです。

ラクにゃん
メーカーのお知らせのページに、影響があるかどうかが出ていることが多いよ。分からなければ、機器を入れてくれた会社に聞いてみてね。
まとめ:穴はなくならない。だから、何重にも

ミナ
脆弱性って、こわいものだと思っていましたけど、どこを見て、だれに何を聞けばいいかが分かってきました。
ラクにゃん
よかった。最後に、作ってもらった会社に聞くことを、まとめておくね。
- 更新:穴の知らせはだれが見ていて、何日以内に直してくれますか?
- 部品表:うちのシステムに何が入っているか、一覧はありますか?
- 入口:ログインはパスワードだけですか? 辞めた人のアカウントは、だれが止めますか?
- データ:ほかの会社や、ほかの人のデータが見えないことを、どう確かめていますか?
- 鍵:AIや決済の鍵は、どこに置いていますか?
- もしも:何かあったら、だれが、いつまでに連絡をくれますか? バックアップから戻す練習はしていますか?

ミナ
これなら、わたしでも聞けそうです。

ラクにゃん
穴はなくならないけど、何重にも守っておけば、1か所に穴があっても、ほかで止められるんだよ。このお話は、YouTubeでも解説しているよ。

参考サイトと出典
- PHP の脆弱性(CVE-2026-109618 等)に関する注意喚起(JPCERT/CC)
- PHP の脆弱性対策について(IPA)
- GHSA-w8hw-w9fx-j79w(PHP 公式のアドバイザリ)
- GHSA-6wmf-4rv5-p3rp(PHP 公式のアドバイザリ)
- Today's PHP security release(The PHP Foundation)
- PHP2Shell についてまとめてみた(piyolog)
- Amazon threat intelligence identifies PHP2Shell exploitation prior to public disclosure(AWS Security Blog)
- PHP の脆弱性を悪用した連鎖攻撃の報告(マイナビ TECH+)
- October 2026 Security Releases(Node.js)
- Node.js security advisory(Vercel)
- Critical Security Vulnerability in React Server Components(React)
- Postmortem on Next.js middleware bypass(Vercel)
- Self-propagating supply chain attack hits 187 npm packages(BleepingComputer)
- Widespread Supply Chain Compromise Impacting npm Ecosystem(CISA)
- Firebase misconfiguration exposes Chat & Ask AI users(HackRead)
- OWASP Top 10:2025(日本語)
- 情報セキュリティ10大脅威 2026(IPA)
- 中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン 第4.0版(IPA)
- SCS 評価制度 要求事項・評価基準(IPA)
- Gemini API 追加利用規約(Google)
- Commercial Terms of Service(Anthropic)
